ゲーム音楽と3拍子
最近、エリーのアトリエのBGMのCDをよく聞きます。
聞いていてふと思ったのは、あれ、3拍子の曲が多くない?ということ。
例えば、ゲーム音楽と言えば?と聞かれて何か思い浮かべてみます。
大体の方が思い浮かべた曲は、4拍子の曲ではないでしょうか。
とはいえ、そもそもJ-POPがそうですが、日本の楽曲は4拍子が多いと言われています。
そんな中でエリーのアトリエですが、例えば以下の動画で考えてみましょう。
bgmが77曲あります。
で、私は音楽はちょっとかじったレベルなので自信はないのですが、
この中で3拍子(または6拍子かな)なのは、3、6、9、10、11、13、18、19…
とまあ、多すぎて途中で数えるのをやめるレベルであるわあるわ。
ちなみに、ドラクエ1のbgmがこれ。
で、多分全部4拍子。
ちなみにファミコンでいうと、マリオの水中ステージが3拍子。
ここで思うことは、ゲーム音楽の歴史を感じるなーと。
どういうことかと言うと、以前ドラクエの書籍を読んだときにこんな話がありました。
当時のファミコンのBGMというのは、いわゆるピコピコ音の音楽が多かったと。
自身もゲーマーのすぎやまこういちさんが関わるわけですけど、
彼はこう考えたのです。
「ゲーム音楽というのは、プレーヤーがゲームをプレイしている間中ずっと聞くことになる。ならばそれに耐えられる音楽、聞き減りしない音楽をBGMとする必要がある。それはクラシックだ!!」
ということで、ピコピコBGMが主流の時代、ドラクエはまさにクラシックな「序曲」から始まるゲームとなったわけです。
ここで個人的に気になる考え方は、「聞き減りしない音楽」です。
ゲーム音楽に3拍子の曲を多用するということは、まさにこの聞き減りしない音楽という機能を持っているのではないかと。つまり、「聞き減りしない音楽とは何か」という問いに対して、すぎやまこういち先生とは別の答えを提示しているのではないかと。
なぜなら、3拍子とはいわゆるワルツのリズムです。それは派手さはないかもしれませんが、いつまでもくるくると踊り続けることができる音楽です。また、4拍子ほど始まりと終わりを意識させることがないリズムだとも思います。
もちろん、何でもかんでも3拍子が良いとは思いません。例えば先述のエリーのアトリエの動画だと、2曲目(OPの語りの部分)や、戦闘曲、ボス曲等、明確に終わりがある場面では4拍子の曲が使われています。
3拍子の日常の中に、4拍子のBGMでメリハリをつける。こうした作りが、エリーのアトリエの音楽の魅力の一つかなーと考えた夜中でした。